腑に落ちない感じと、なぜbotを全てフォローしたかという話

明日は都知事選。結局は石原現知事の信任投票にしかならない感じだ。そんな状況と、繰り返し伝えられる彼の不思議な発言など・・全てが腑に落ちないのだが、いくつか「ああ」と思ったものをここにでも書いておこうかと。


石原慎太郎東京都知事によるとされる「天罰」発言のこと
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2011/03/post-e1d4.html

問題は、そうした思想信条が公的な立場である東京都知事としての行政に反映されているかなのだが、これまで都知事をされていて、特段に影響を見ないように思う。

都知事選 石原慎太郎の存在価値とその喪失
http://kawaimikio.cocolog-nifty.com/blog/2011/04/post-77d5.html

官僚機構からこれを見れば、マスコミ向けに吼えるだけで、全て自分達のやりたいようにさせてくれる理想の上司となる。酷い発言、行き過ぎた発言をするが、行き過ぎたことは実行しない。


こう見ていくと、この人の言ってることを見るのか、やったことを見るのか、役割としてみるのか、どうもそれぞれが相反しているような気がしてきて、その辺が違和感につながっていたのかもしれない。
思想信条が反映されていないというのも、在任10年を越える中で彼に仕える組織は先手を打って彼の歓迎する形を押さえてくるのだろうから何の問題もないとは言えないはずだが、それよりもやはり彼個人としての分かりにくさが気になる。


■「アニメフェア拒否の連中、吠え面かいて来るよ」の石原都知事、反発する出版社に協力求める書簡を送っていた
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-833.html

表面的かもしれないが、こういうイメージは本当に腑に落ちない。青少年保護育成条例の話はずいぶんとネットの話題をさらった。これも相反するものがさらっと成立しているからなんだろうか。


まあ言ってることとやってることが違うのであれば、実績はどうだったのか。


■「都知事―権力と都政」より、石原都政三期十二年を振り返る
http://kousyoublog.jp/?eid=2575

・根回しの下手さやトップダウン固執して調整、準備不足を露呈するなど政治家としてはいまいち
・とりあえず実行してみる、新しいことには挑戦してみるという姿勢や、内部体制の整備に目を向けて結果を出すなど「経営者」的資質は少なからずある
・福祉、医療や産業・民間振興などソフト面の整備についてはプライオリティが低いか、全く無視するなど非常にハード寄りの政策を取る

個人的な印象としては、彼が運輸大臣の時に鶴の一声で成田新幹線のホームまで電車が直通することになったというのと、ラッピングバスで東京の景色が大きく変わったというのが大きい。確かにこの人はハード寄りで実績が目立つのね。


■石原bot
http://twitter.com/otsuka/ishihara-bot

そして、Twitter上では彼を支持する文言を大量にTweetするbotが妙に目立ったという件。

腑に落ちない感覚をずっと持っていたところにこんな妙な状況が出現したものだから、まあtwitterをそうやって使ってどの程度意味があるのか、彼を支持する人がどんなところを伝えたいのか、そしてそれを読んで自分が少しでも感覚が変わるのか・・というようなところで、botを片っ端からfollowして読んでいた。

bot達を集めてlistを作ったのは自分だけではなかったようだが、わざわざ片っ端からfollowしている人はあまりいないようで、この人の意図は何なんだろうというmentionsも飛んできたので、ちょっとここに書いておこうかと。


まあReTweetなりハッシュで他者にからんでいかない限り、botで単にPostしてもあまり意味が無いんだろうなあというのは、見ていて分かった。Twitterに限らず、ネットはある程度能動的に接するものを決めていくので、自分とは違うクラスターを読むということはホントに少ないのだよな、と違和感を感じる自分も興味深かった。しかし腑に落ちない。



選挙と旅行とケータイを買ったときにしか更新されないというこの日記。早くタイトルも変更したいものだ。

サハリン〜ロシア極東の旅

北海道を経由してサハリン、ロシア極東をクルマで走ってきた。
そもそもは満洲里という中露国境までいこうかと思っていたのだが、さすがにちょっと遠いことがわかって、手前のブラゴベシチェンスクまでの旅になった。

世界中どこに行っても「中国なるもの」に必ず出会う。プノンペン、ニューヨーク、サンパウロ、ロメ、ミラノ、そして近所のコンビニでも。ここ数年はもう自分の旅がその周りを回っているようなものに感じる時もあった。


そんなわけで、ちょっと中国の辺境と、そこが他者と出会う場所を見に行こうかというのが一つ。もうひとつはサハリンという場所と歴史の特殊性だ。戦前、台湾ほど明確な単位での植民地ではなく、より日本の領土という扱いに近かったこの場所は、興味深い位置づけを持っている。

まあ日本から普通にクルマで行ける外国は韓国とロシア(サハリン)だけなので、韓国は既に行ったことから、残された方も・・というのも大きかった。

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で、行って面白かったのは、やはりこの国境を挟んだ光景と、フェリーで会ったサハリンの昆布を扱って12年というこの人だった。

フェリーで車を持ち込んだのは彼と自分のみ。そんなところから、コルサコフにある自宅に泊めてもらったりと随分世話になり、初日、翌日のあいさつ回りなんかについて行ったりしたのだが、とにかく元気な中小企業のオヤジといった風で、バイタリティーと話の面白さがずば抜けている。


ロシア経済危機は1998年。その直後から毎年関わっているので、世の中の変わり方を肌感覚で語ることができる。漁連や大手商社がうまくいかず撤退していく中、昆布の商売を続けてきた重みもある。「この国は売る側が責任をもつんじゃなくて、買う方が責任をもつんだよ。変だよな」「自分で会社やるってのはいいことなんてほとんどないけど、好きなことだけは言えるんだよ」などと、話は尽きることがない。

毎年流氷が来る頃にまず飛行機で来て海の状況を見て、その後稚内〜サハリン航路が再開される夏前からサハリンに入り、9月末に戻る。仕事が残ったらさらに数カ月残るというようなスケジュールなのだという。「流氷を見ればその年の昆布の出来は分かるからな」とのこと。


まあ外国産食品というのは、商社がやるように大量の資本投下で自然をぶっ壊して工業化・規格化を図って、玄人の出る幕をできるだけなくして、安全性は研究所で検査しておけばいい、というような不幸なものが一般的だとは思うが(すき家の広告 ※本文とは関係ありません)、一方にドン・キホーテのような人もいるということは、なかなか素晴らしいものだ。

さらに、彼と行動していたのは、いわゆるサハリン残留日本人として帰国した人で、彼が41歳の時、母親と共に日本に来たという人だった。この辺の話も、ウオッカと共に語る人生という意味ではなかなか考えさせられる。尚、この人の14歳の娘さんがロシア人とのハーフでとても美人かつ素晴らしい発育ぶりだったことも無駄に印象深かった。

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そして国境。中国とロシアの国境貿易で有名な街は3つある。チタ〜ハルビンウラジオストクを結ぶ東清鉄道沿線、ウラジオストク側の綏芬河と内モンゴル満洲里、そして黒河だ。

ロシアと中国では、物価がかなり変わる。ロシア側、ブラゴベシチェンスクの宿は最低で1200ルーブル、3,600円位から(ヒッチハイクのロシア人を乗せて、案内してもらいがてら7-8軒ほど安宿を捜し歩いた)。食事もやはりそこそこ高く、普通にカフェで食べると日本と変わらない。
一方中国の黒河市は50元(600円)でダブルルームと言われたので一発OKした。黒河の街には、なんだか気が狂ったように賓館や招待所がある。正直ここまで街の規模に比べて宿が多いところは見たことがない、というレベルだ。食事も5-6元で安メシを腹いっぱいという位は食べられる。

というわけで、人の流れで目立つのは圧倒的にロシアからの買い物客というパターンだ。ロシア側では街に中国語はほとんど見かけないが、中国側はあらゆる店の看板がロシア語併記になる。ロシア人がお客さまということだ。


まあ例えばアフリカの街のように、中国語の看板が目立って、中国商人が活躍するというようなロシアの街を想像していたが全く違うようだ。ここによると、やはりビザの関係で中国商人が入るのが難しくなったということらしい。

ちょうど自分がいた数日前に、メドベージェフがこの街に来ていたようで、それに関連した記事を日本に戻って見つけたのだが、なんでもかんでも最近はやりの中国脅威論という感じと、現地の感覚はちょっと違う気もした。少なくとも抑制はされている。


いつかシベリアは中国のものになる?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3954

それにしても、日本の旅行者として中国の街を歩くと、久しぶりに米やら麺といったある程度おなじみの料理が食べられるというのは、無駄にテンションが上がるものだ。炒飯を食って、刀削麺を食って、肉まんをつまんでいればいいのだ。

とはいえ、街は圧倒的な混沌というか、少なくともここでは運転したくないと思わせる中心街とか、アジア的な大変さも付いてくる。ロシアは少なくとも交通ルールはほぼヨーロッパ的で、クルマの運転に関して大きく戸惑う、というのはあまりない。

ロシア的というのも中国的というのも見事に過剰な感じではあるので、こういう国境越えはなかなか面白いものだった。まあクルマはボコボコになって大変だったが・・。


旅行写真でもどうぞ

ツイッターで積極的に発信している人たちは、国語力の面で一歩先を行っている。たとえ奇妙な文面であれ、あるいはどうでもいい内容であれ、「発信」していること自体に価値がある。発信するとき、人は必ず「他者」を意識する。この「他者を意識すること」こそが、国語力向上の第一歩なのである。

http://twitter.com/FukushimaKokugo/status/10354088634


twitterのフォローは、その人が面白いことをいいそうだという将来の可能性に対して行うものだ。その人の発言をざっと見て、attitude、まあ態度というか姿勢や感覚を行間から読み取りフォローすべきか判断するということを、無意識のうちにやっている。
ソーシャルブックマーク、まあはてブとかdelicious辺りだと、今ある程度完成された記事やらサイトに対してその有用性を判断するだけなので、あまりギャンブル性はない。SNSはさらに社会的なものだから、まあ知り合いかどうかとか、属したい輪の中かどうかというレベルでの判断になる。まあそんな訳でtwitterのフォローは、ブックマークとかSNSで安楽に流れていた「総合的な」判断基準を久しぶりに鍛え直しているような感覚を覚える。


で、久しぶりって何から久しぶりなんだろうなあと考えていたら、以前やってたWeb日記のサービスで、この人を読者リストに入れて更新を追うかどうかという時の判断と似ていた。頭で引用したTweetを読んで、ああ当時もそんな事を言っていたなあ、と思い出したのだった。

他人を意識するというのは言い換えると「伝わる工夫」をするということになる。まあ例えば推敲して一度書いたら読み返した上で送信するとか、書こうとする話を検索してみるだけでかなり変わるんじゃないかと、たまに思う。その場の勢いが伝わるtweetで、それがインパクトがあるものがある意味で一番面白いのだが(昨日の、31歳でうんこを漏らしたとか)、まあそうインパクトがあることでもないのに大抵人間は類型的な反応をしてしまうので、同じような反応がズラズラと並ぶことになると哀しいもんね。


あと、その人のtimelineが@付きのレスに埋め尽くされているかどうかも、自分はひとつの判断基準にしているようだ。まあtwitterはシステムのコミュニケーションデザインがそこそこうまく出来ていて、フォローしていない人への@は出ないという仕組みにはなっているものの、ちょっとつらい。
ほとんどのコミュニティは反応があるからコミュニティなのであって、まあ反応とか足跡とかアクセス件数とか、何でもかんでも可視化させて利用者にフィードバックしてくるのだけど、そればっかりというのもなんだか安易に見えてくる。主従のバランスがあった方が個人的には面白く感じるようで、昔「コミュニケーションは橋なので、それぞれ土台を作ってから橋をかけてほしい」とか偉そうに書いた記憶があるなあ(恥)。


まあ日本語のtwitterはまだアメリカと違って、通知を受けるためだけにtwitterを使うというような感じがあまりしないところが好印象だ。
とにかく「つまらない人生」とか「平凡な日常」というのは本人が思っているだけで、他人が見たら結構面白かったりするので、何でもぜひどんどん書いていただきたい。そうすれば、真っ昼間からこんなものを書いている無職の私も楽しくなる・・と思う。

Nexus One やったことまとめ

Nexus Oneを買った。どうせ近いうちにキャリア付きで日本から買えるようになるだろうが、まあそこは気にしない。


■輸入
Hotspot ShieldでUSへVPNを張って、Webで注文。転送業者はオレゴン州ポートランド近郊のここに依頼。アメリカで州消費税がかからないのは4州のみで、カリフォルニアだと10%近いがオレゴンは0だ。
3/2の夜中に発注したら翌日に品物はインディアナ州からFedExで発送され、転送業者経由ヤマト配送で3/8に東京へ着いた。本体が47,938円+卓上ドック4,078円の計52,016円。転送業者には2台分として転送料金4,557円を払い、ヤマトが徴収する日本の消費税が3,000円。総額で55,795円となった。

今回は2台注文したが箱は別々。転送業者は箱あたりで課金するのでサポートに電話して同梱を頼んだが、その時点で既に出荷されていたので5$の損、また日本の消費税はどうも国際郵便のEMSを使った方が取られる確率が低いようで、総額で考えると多少遅いがEMSにしてもらう方がよいかもしれない。まあ、オークションよりは大分安い。


■設定
iPhone 3Gの電話帳をどう移すか悩んだが、MacのアドレスブックをCSVで抜いてGmailへインポートすることに。Address Book to CSV Exporterを使ってごっそり移行。フリガナは死亡、50音ではソートされない。友達が少なくてよかった。
http://peace-pipe.blogspot.com/2007/01/mac-gmail-mac.html

iPhoneのSIMを入れて起動するがAPNの設定がないので、WifiGoogleアカウントと同期した後APNの設定を行う。APNはアクセスポイント名というところで設定するが、最初の設定画面が真っ黒で戸惑う。下部のメニューアイコンをタップして追加。これでデータ通信が定額内で可能になる。
http://collectivemeta.com/54qd7


i.softbank.jpの方は純正のメールアプリで取りあえず読んでみる。メールが来たら、着信音が鳴らずにアラートが画面に表示されるというiPhoneの一番初期の状態に。これは後で直すのでまずはこのまま。

日本語入力は名前くらいは聞いたことがあるsimejiをまず入れてみたが、どうも自分の入力方法はiPhoneでなんちゃってフリック入力だったようで、フリックと猿打ち(「い」だと「あ」を2回叩く)を併用していた。simejiはどちらかしか切り替えられないので、OpenWnnフリック対応の方を利用し、フリック+ケータイ入力を選択すればほぼ違和感がなくなる。


■アプリ
アプリはマーケットから落とせばいい。SoftBankのSIMは有料がでなかったらしいが今は問題ないようだ。最初に気持ち悪かったのは、サイレントモードがバイブレーションもオフにしてしまうこと。これは近藤昭雄の憂鬱というインパクトがありすぎて覚えているアプリで解決。

twitterアプリ、乗り換え案内、ニュースとかまあ一般的なものは大抵Androidもあるようだ。ざっと探して、自分がiPhoneで多用していたが代替がないなあというのは、食べログ、1時間単位の天気予報アプリ、映画上映情報くらいか。あとSkypeがまだないのね。


Googleのアプリは全体的にレベルが高いが、やはりインパクトがあるのは地図アプリだ。ほぼカーナビのように動く地図があるのだが、どうも日本では使えなくなっている。もちろんそんな制限は誰かが解除してしまうのであって、野良アプリが落ちている。普通にブラウザからアクセスしてリンク経由でダウンロードすればインストールされる。iPhoneと違ってこの辺はやはりフリーダムだ。
http://forum.xda-developers.com/showthread.php?t=630887


音楽とか動画は、端末をUSBでつないでマウントして行う。つないだだけでは何も出てこないが、こんな感じで操作する。まあiPhoneはそのあたり洗練されてるよね。


■rootを取る
もうAndroid系のblogがrootrootうるさいのでやってみる。iPhoneJailbreakに近いが、もう少し公認という感じで、bootloaderロックを解除する画面なんかには「サポート無効にすっけどやるの?」という注意書きも出てくる。

やり方。何かと必要になるので、まずは開発環境を面倒くさがらずに入れる。もう環境変数とか設定するのは本当に面倒くさい。
http://d.hatena.ne.jp/lalalahirai/20100117/1263735608

あとは書いてある通りやればいい。ちゃんとつまづいた点もまとめてくれている人がいる。ありがたい。
http://xenonews.blog50.fc2.com/blog-entry-2388.html
http://acc.komugi.net/?%E6%89%8B%E9%A0%86%E6%9B%B8%2Frooted%28NexusOne%29
http://d.hatena.ne.jp/kawaisosu0622/20100225/1267049477


■root後
root権限がないと書き換えられないファイルが自由に変更出来るようになったので、システム系に手を入れる。

システムフォントの入れ替え。絵文字対応付きのフォントを取ってきて入れる。
http://sun.dhis.portside.net/~sakira/diary/?date=20090717#p01
http://lostman-worlds-end.blogspot.com/2010/02/root.html


絵文字対応と、SoftBankのMMSサーバーがUserAgentで制限しているので偽装する
http://d.hatena.ne.jp/chai99/20100208/1265605086
http://lostman-worlds-end.blogspot.com/2010/03/mmsapkemailapk.html


SoftBankのMMSの設定項目
http://blog.conga.jp/2009/07/gdd-phonemms.html


■root後その2

シャッター音を消す
http://www.yamakawa.us/android/236.html

テザリングを有効にする
http://code.google.com/p/android-wifi-tether/

トラックボールを白以外に光らせる
http://pocketgames.jp/blog/?p=5620


■感想

なんだかNexus Oneを買っている人はIT系の社長(海外通、話題に飛びつき金に糸目をつけない。数日いじってblogの関連エントリーは途絶える)か、エンジニア(開発環境は既に整備済み、ごそごそと成果が公開されて行く)とかいうパターンが多い感じで、やはりiPhoneのユーザーとはちょっと違う。最近のiPhoneユーザーはもうこの辺まで行ってるもんなあ。

感想も出揃っていて自分が今から追加することも正直あまりないのだが、iPhoneに比べタッチパネルの感度が良くないので一日中いじっていると親指がつってくる。それぞれタッチすべきちょっと上くらいを押す感じがいいようだ。また下部4つのボタンを多用するが、下過ぎてホールド感のバランスが悪い気がする。

iPhone 3Gからの乗り換えなので、ブラウザの速さはなかなか感動ものだ。アプリ間の連携と切り替えは確かに便利だが、再起動したてにも関わらずバックグラウンドで15個くらいのアプリが起動しているので、iPhoneの律儀に終了していた世界から来るとその富豪さに驚くというか面食らう。

まあ設計思想というか世界観はやはりiPhoneと違っていて、その違いはやはり興味深い。一長一短はあるが、次に出るiPhone位まではメインで使ってみるのがいいんじゃないかと思う。

アフリカとケータイ

ザイン、アフリカ資産を印バーティに107億ドルで売却へ

7年ぶりに行った西アフリカで真っ先に変わったなと思ったのは、携帯電話を取り巻くあれこれだった気がする。至る所に広告があって外国人も比較的目にしやすいものではあるので、そんな印象も当然かもしれない。


まずはキャリア。昔なじんだキャリア名は国を超えた合併連携で消えていて、どこかで見たグローバルブランドに変わっていた。CeltelはZainというクウェートの会社になっていたし、ドバイ辺りでよく見たEtisalat系のMoov、南アフリカのMTN、フランス圏に強いOrange、このあたりがどの国に行っても出てくる。今回回ったのは5カ国だが、現地SIMはZainとMoovで済んだ。

それぞれのブランドは国を越えてエリアをカバーしているので、プリペイドでもZainを買ったらナイジェリアでもニジェールでもケニアでも使える。しかも素晴らしいのは、国境を越えてもバカ高いローミングにならず、それぞれの国のローカルコールとして計算されるというところだ。もちろん通貨は国によって違うのだが、ちゃんと換算されて残高が減っていく。もう国よりも携帯電話会社のネットワークの方が上位にあるというような気分になる。これは同じキャリアが多い南米でもヨーロッパでも出来ていないことだ(と思う)。


そして端末。ざっくり言って選択肢はNokiaか、チャイナフォンの2つだ。Nokia発展途上国のニーズを理解しているというか、まあ本当に白黒のディスプレイに懐中電灯がついているような安っぽいものなのだが、停電が多いので電灯が実に役立っていた。
一方チャイナフォンと総称されているのは、中国製のノンブランドケータイ(山寨機)だ。詳しくはここに出ているが、大抵の端末はNokiaと比べものにならないくらい高性能で、bluetoothにカラー液晶は当たり前、SIMは2枚刺さり2回線同時待ち受けが可能というのがほとんど。それなのに、とにかく安い。大体3000円位からある。
ケータイに限らず中国はとにかく圧倒的なプレゼンスをアフリカに持っているのだ。


最後に携帯会社と政府の関係性。トーゴではMoovの広告が目立ったのだが、話を聞くと、4ヶ月間電波が止まっていたのが復活したので色々とプロモーションをしているんだよ、とのこと。電波利用料を国に払えなかったので免許差し止めとなったらしい。まあどちらかというと国との交渉に失敗したというところなんだろうが、突然電波がとまるというのもなかなかダイナミックだ。

なんだかこういう感覚はなかなか日本から遠い。最終的に利用者が不便を被るような決着は役人も会社も望まないし、それはメンツの問題にもつながるから、内々に処理されるのだろう。反面、国から経営に対してものすごい指導が入っているのだろうしプロセスも不透明。まあどっちがいいのか・・それは考え方次第なんだろう。



写真はラゴスのミニバスターミナル。大きな広告はMTNのもので、南アフリカワールドカップの公式スポンサー関連のものだ。話は変わるが、はてなでレストラン紹介ツールができたらしいので、ちょっとやってみよう。東京の西アフリカ料理屋。

カラバッシュ

食べログ カラバッシュ

Google vs. Microsoft

Google vs. Microsoftというのはまあ尽きない話題の一つだ。
19日はちょうどPDCMicrosoftの開発者向けセミナー)とChrome OSの発表日が重なったようだけども、ここでの話し方にもやはり両者の違いが感じられるものだったと思う。

PC WatchではMicrosoftが過小評価されるもっともな理由というコラムで、Azureを「パートナーとともに成長する戦略を徹底するMicrosoftの強みを活かしている」と書いている。
一方、発表会でGoogleSergey Brinは「商売がヘタだと言われるかもしれないが、私たちは本気でユーザーニーズに焦点を絞っているのであって、他の会社やその他もろもろと比較して戦略を考えているわけではない。」と述べたという。

こう聞くとこの2社は同じようで全く違う理念な訳で、やはり一ユーザーとしては圧倒的にGoogleが面白く見えてしまう。「3-5万円の安いネットブックならユーザーは何台も買えたけど、うまく連携できなかった。ここでWebを使う、それがChrome OSだよ」などといわれると、もうその実に分かりやすい未来を早く手に入れたくなってしまう。

一方、上記のMicrosoftのコラムをざっくりと要約すると、

  • Windows Azureなどの発表がコンスマーからかなりかけ離れた話になってしまっていること
  • Microsoftのコンスマー向けプロダクトがことごとくユーザーの期待を裏切り続けていること
  • プロダクトが自身の世界観の中でしか有効に機能せず、大多数のインターネット標準や原始的な環境では結果的に不便になっていること

ということなんだろうが、これは正にその通りだ。一時期HotmailOutlookと似たUIをWebで実現しようとしていたのを、どうしてこんな愚かなことをするのだろうと不思議に思っていたことを思い出す。

まあGoogleがまだ若くかつ非常にフォーカスをして伸びてきたのに対して、Microsoftは少々プロダクトラインが伸びすぎているという面がある。そこをなんとかしようとしたここ数年のMicrosoftの組織戦略、例えばエンタープライズとコンスマー部門への再編もあまり有効に機能しなかったりと、少々迷走気味だったことは間違いない。

とはいえ相変わらず大抵のPCメーカーや企業IT部門にはMicrosoftはメリットがあるのだろう。この間出たSonyVAIO Xも、個人的な違和感は「まだWindows積むのか・・」というところだったが、大抵のユーザーにはWindows XPが支持されていて、それが自分のようにChrome OS辺りになってほしいとは思っていないのだ。


なんだか誰もが検索でGoogleを使うのを見てうんざりしたこともあったが、今後どうなるのか、そして自分の違和感と周囲をよく見ていくことが大事だなあと思う。